日本神経筋疾患摂食・嚥下・栄養研究会

摂食嚥下関連医療資源マップ(2017/04)

食べることでお困りの患者さんが増えていることは皆様方も日々実感されていることと思います。そのような患者さんへの対応が重要であるにも関わらず、そもそもどこの医療機関で対応が可能なのかがわからないということが問題であったために国立研究開発法人日本医療研究開発機構長寿科学研究開発事業研究班の中で摂食嚥下関連医療資源マップ(http://www.swallowing.link/)というものを作成しました。

悉皆調査を行うのは事実上不可能なのですが、2014年からこの研究班を開始して現在では1300件以上の医療機関にご登録いただいております。マップのイメージを下に示します。医療機関は一覧でも見ることができますが、下図のように地図での表示が可能で、患者さんの住所などを入力するとその場所まで飛ぶようになっています。嚥下障害への対応に必要な検査である嚥下造影や嚥下内視鏡ができるかどうか、嚥下訓練ができるかどうか、また訪問診療の対応ができるかどうかを見ることができるようになっています。また、訪問診療に行ける範囲は保険で半径16㎞と決まっているために訪問可能範囲を緑色の円で示して、実際に訪問に行ける範囲がどこなのかを調べられるようになっています。

201704

その他、医療資源ではなく嚥下機能に配慮した食事を提供することが可能な飲食店も2016年9月より登録を開始しました。現在自分の調べがついているところでは全国で20件なのですが、フレンチ、和食、洋菓子、和菓子、焼き肉屋やアミューズメントパークなども掲載されています。要介護状態にあっても“外出”できることが大事なので、今後も引き続き登録を進めていきたいと考えています。

上記の医療資源および飲食店はまだ完全に調べがついているようなものではありませんので、情報をお使いいただくだけではなくお知り合いなどで新規登録をお勧めできる方がいらしたら、なにとぞお知らせいただけますとありがたいです。尚、携帯からもすぐにみられるようにQRコードを作成してあります。お使いいただきご意見などございましたらいつでもサイトよりご連絡いただけましたら幸いです。

QRコード

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学系専攻老化制御学講座高齢者歯科学分野

准教授 戸原玄