日本神経筋疾患摂食・嚥下・栄養研究会

嚥下圧検査について(2009/12)

 嚥下障害を評価する生理学的検査の1つに「嚥下圧検査」があります.以前から耳鼻科領域で主に研究目的でおこなわれてきた検査ですが,まだ一般的には普及していない検査です.この検査は,測定用プローベを鼻から食道まで挿入することで軟口蓋,咽頭,食道入口部,頸部食道など各所の圧の値や圧発生のタイミング,食道入口部弛緩のタイミング等を観察するもので,嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査では得られない情報を得ることが可能で,嚥下障害の治療法の選択や病態把握に非常に有用です.正常値は測定系により異なるため,各測定系毎に確認設定する必要があることが難点ですが,胃食道逆流の診断に用いる食道内圧測定キットを使用すれば,比較的簡便に検査・評価が可能です.
 当院で使用している「スターメディカル社のGMMS消化管内圧測定システム」は定価で400万円程(特注プローベのセンサー数により価格は上下)しますが,「食道内圧測定検査」に加え「胃食道24時間pH測定検査」も可能で,それぞれ650点,1000点の保健点数がついているため,研究のための機器ではなく医療機器としての請求が可能かと思います.ちなみに当院で用いているプローベはポイントセンサー1カ所,スリーブセンサー3カ所を埋め込んだ8Frのプローベです.

 

国立病院機構高松医療センター 神経内科

市原典子